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租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律 第十一条 (相手国等の租税の徴収の共助)

昭和四十四年法律第四十六号法律
(相手国等の租税の徴収の共助)

第十一条

租税条約等の規定に基づき当該租税条約等の相手国等から当該租税条約等に規定する租税債権(当該租税条約等の規定により徴収の共助又は徴収のための財産の保全の共助の対象となる当該相手国等の租税債権に限る。以下この条において「共助対象外国租税」という。)の徴収の共助又は共助対象外国租税の徴収のための財産の保全の共助の要請があつたときは、当該要請において特定された者(以下この条において「共助対象者」という。)の住所、居所、本店、支店、事務所その他これらに準ずるもの又は当該共助対象者に係る財産の所在地を所轄する国税局長(国税庁長官が必要と認めた場合には国税庁長官が指定する国税局長とし、これらの国税局長が必要と認めた場合にはその国税局長が指定する税務署長とする。以下この条において「所轄国税局長等」という。)は、次に掲げる場合を除き、当該要請に係る共助の実施の決定(以下この条において「共助実施決定」という。)をする。

  1. 当該共助対象者が、当該共助対象外国租税の存否又は額について、当該相手国等において争う機会を与えられていないと認められるとき。
  2. 当該共助を行うことが我が国の利益を害することとなるおそれがあると認められるとき。
  3. 当該共助対象外国租税に関する法令を執行する当局が当該共助対象外国租税を徴収するために通常用いるべき手段を用いなかつたと認められるとき。
  4. 破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百五十三条第一項、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百七十八条第一項若しくは第二百三十五条第六項同法第二百四十四条において準用する場合を含む。)、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百四条第一項又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第百二十五条第一項若しくは第二百九十五条第一項の規定により、当該共助対象者が当該共助対象外国租税の全額についてその責任を免れているとき。
  5. 当該要請が当該共助対象外国租税の徴収のための財産の保全の共助の要請である場合には、共助対象外国租税につき次に掲げる事由のいずれにも該当しないとき。
    1. 当該要請が当該共助対象外国租税の金額につき当該相手国等の法令により確定した後になされたものであるときは、当該要請の時において当該共助対象外国租税につき国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第四十七条の規定により差押えをすることができる場合に相当する場合に該当すること。
    2. 当該要請が当該共助対象外国租税の金額につき当該相手国等の法令により確定する前になされたものであるときは、当該要請の時において当該共助対象外国租税につき国税通則法第三十八条第三項又は国税徴収法第百五十九条第一項の規定により差押えをすることができる場合に相当する場合に該当すること。

2前項の規定による共助実施決定は、所轄国税局長等が、次に掲げる事項を記載した共助実施決定通知書を共助対象者に対し送達して行う。

  1. 租税条約等及び当該租税条約等の相手国等の名称
  2. 共助対象外国租税の徴収の共助又は徴収のための財産の保全の共助の別
  3. 共助対象外国租税の名称
  4. 共助対象外国租税の額(民事再生法第百七十九条第一項第二百十五条第一項同法第二百十九条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第二百三十二条第一項若しくは第二項(これらの規定を同法第二百四十四条において準用する場合を含む。)、会社更生法第二百五条第一項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百二十六条又は第二百九十六条において準用する場合を含む。)又は会社法(平成十七年法律第八十六号)第五百七十一条第三項(投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百六十四条第四項又は資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百八十条第四項において準用する場合を含む。)の規定の適用がある場合には、これらの規定により権利の変更がされた後の額)
  5. その他財務省令で定める事項

3所轄国税局長等は、共助対象外国租税の徴収の共助の要請に係る共助実施決定(以下この条において「徴収共助実施決定」という。)をしたときは、当該徴収共助実施決定に係る共助対象外国租税(その滞納処分費を含む。)を徴収するものとし、共助対象外国租税の徴収のための財産の保全の共助の要請に係る共助実施決定(以下この条において「保全共助実施決定」という。)をしたときは、当該保全共助実施決定に係る共助対象外国租税(その滞納処分費を含む。)の徴収のための財産の保全をするものとする。

4前項の規定により共助対象外国租税(その滞納処分費を含む。以下この項及び次項において同じ。)を徴収する場合又は共助対象外国租税の徴収のための財産の保全をする場合には、共助対象外国租税、共助対象者、共助実施決定及び第二項に規定する共助実施決定通知書については、当該共助対象外国租税に係る租税条約等の定めるところによるほか、国税通則法第二十二条第四十条から第四十二条まで、第四章(第四十六条第一項、第二項後段、第三項、第四項(同条第八項において準用する場合を含む。)及び第九項、第四十六条の二第一項及び第三項、第四十九条第一項第二号第五十三条並びに第五十五条第一項第二号を除く。)、第百五条第百十七条及び第百二十五条並びに国税徴収法第九条第十条第二十一条第二十三条第四項、第五章(第四十七条第一項第二号第五十六条第三項第五十七条第二項第六十七条第三項同法第七十三条第五項及び第七十三条の二第四項において準用する場合を含む。)、第八十三条及び第八十五条(これらの規定を同法第八十八条第一項において準用する場合を含む。)、第九十条第三項前段第百十六条第二項第百十七条第百二十九条第六項並びに第百三十九条を除く。)、第百五十一条第百五十一条の二第百五十二条(第一項を除く。)、第百五十九条(第二項、第三項、第五項第二号及び第三号並びに第十一項を除く。)、第百七十一条から第百七十三条まで、第百八十二条第一項及び第百八十六条の規定(共助対象外国租税の滞納処分費については、これらの規定のほか、国税通則法第十三条第七十二条第七十三条及び第百二十二条並びに国税徴収法第百三十九条第百五十三条及び第百五十四条の規定)を準用する。この場合において、次の表の第一欄に掲げるこれらの法律の同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、それぞれ同表の第四欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

5共助対象外国租税の滞納処分による差押えがされている財産につき強制執行等(強制執行、仮差押えの執行又は担保権の実行としての競売をいう。以下この項において同じ。)がされた場合、国税(その滞納処分費を含む。以下この項において同じ。)の滞納処分(その例による処分を含む。以下この項において同じ。)による差押えがされている財産につき共助対象外国租税の交付要求及び強制執行等がされた場合又は仮差押えの執行がされている財産につき共助対象外国租税の滞納処分による差押えがされた場合若しくは国税の滞納処分による差押え及び共助対象外国租税の交付要求がされた場合において、国税徴収法第百二十九条(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により同条第一項に規定する換価代金等を配当するときにおける同条並びに滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律(昭和三十二年法律第九十四号。以下この項及び第十四項において「調整法」という。)第六条(調整法第十一条第一項第十一条の二第十七条(調整法第十九条及び第二十条において準用する場合を含む。)、第二十条の八第一項(調整法第二十条の十において準用する場合を含む。)及び第二十八条において準用する場合を含む。)、第十一条第三項(調整法第二十八条において準用する場合を含む。)、第十八条(調整法第十九条第二十条の九第一項第三十四条第一項(調整法第三十五条において準用する場合を含む。)及び第三十六条の十二第一項において準用する場合を含む。)及び第二十条の七(調整法第二十条の九第二項第二十条の十及び第三十六条の十二第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、国税徴収法第百二十九条第一項中「その他の債権」とあるのは「その他の債権(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号)第十一条第一項(相手国等の租税の徴収の共助)に規定する共助対象外国租税(第三号に掲げる債権に該当するものを除く。)及びその滞納処分費(第十条(直接の滞納処分費の優先)に規定する滞納処分費を除く。)を除く。)」と、調整法第六条第一項中「滞納者に交付すべき」とあるのは「租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。以下「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第五項の規定により読み替えて適用される国税徴収法第百二十九条第一項(租税条約等実施特例法第十一条第四項において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定により配当して滞納者又は租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助対象者(以下「共助対象者」という。)に交付すべき」と、同条第二項中「みなす」とあるのは「みなし、その交付の時に租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助対象外国租税(その滞納処分費を含む。以下「共助対象外国租税」という。)に係る交付要求があつたものとみなす」と、調整法第十一条第三項中「みなす」とあるのは「みなし、その交付の時に共助対象外国租税に係る交付要求があつたものとみなす」と、調整法第十八条第二項中「滞納者に交付すべき」とあるのは「租税条約等実施特例法第十一条第五項の規定により読み替えて適用される国税徴収法第百二十九条第一項の規定により配当して滞納者又は共助対象者に交付すべき」と、同条第三項及び調整法第二十条の七第三項中「みなす」とあるのは「みなし、その交付の時に共助対象外国租税に係る交付要求があつたものとみなす」とする。

6徴収共助実施決定においては、所轄国税局長等は、共助対象外国租税に係る相手国等のために、当該徴収共助実施決定に係る共助対象外国租税の額に相当する金銭の提供又は証券をもつてする歳入納付に関する法律(大正五年法律第十号)の規定による納付に準じた証券の提供を受領することができる。

7所轄国税局長等は、第三項の規定により徴収した共助対象外国租税の額に相当する金銭、前項の規定により受領した金銭又は同項の規定により受領した証券を取り立てた金銭を、当該共助対象外国租税に係る租税条約等の相手国等に譲与する。この場合において、所轄国税局長等は、これらの金銭の譲与を国税庁長官が指定した国税局長に嘱託することができる。

8第一項の規定による共助の要請があつた相手国等から当該要請に係る共助対象外国租税につき租税条約等の規定により当該共助を中断すべき又は中断することができる場合に該当する事実が発生した旨の通知があつた場合には、所轄国税局長等は、当該共助対象外国租税に係る共助の中断の決定をするものとする。この場合において、所轄国税局長等は当該中断の決定後において当該共助対象外国租税につき保全共助実施決定をしたときを除き新たに滞納処分(交付要求を含む。)をすることができないものとし、徴収共助実施決定に係る共助対象外国租税について既に行われた差押え又は交付要求は第四項において準用する国税徴収法第百五十九条の規定に基づき行われたものとみなす。

9前項の規定による決定がされた後に、同項の相手国等から同項に規定する事実が消滅した旨の通知があつた場合には、所轄国税局長等は、同項の決定を取り消すものとする。

10所轄国税局長等は、第八項の規定による決定又は前項の規定による取消しをした場合には、それぞれその旨を共助対象者に通知しなければならないものとし、第八項の規定による決定をした場合において既に同項の交付要求が行われているときは、当該交付要求が同項の規定により第四項において準用する国税徴収法第百五十九条第九項の規定に基づく交付要求とみなされた旨をその交付要求に係る同法第八十二条第一項に規定する執行機関に通知しなければならない。

11次のいずれかに該当する場合には、所轄国税局長等は、第一項の規定による共助の終了の決定をするものとする。

  1. 共助実施決定に係る共助対象外国租税の全額を徴収したとき。
  2. 租税条約等の相手国等から共助の解除の要請があつたとき。
  3. 共助対象者につき、国税徴収法第百五十三条第一項各号のいずれかに該当する事実があると認められるとき。
  4. 第一項各号のいずれかに該当する事実が生じた又は生じていたと認められるとき。
  5. 租税条約等の規定により我が国が共助の実施を継続する必要がないと認められるとき(第八項の場合に該当するときを除く。)。
  6. 共助対象者が死亡したとき。

12所轄国税局長等は、前項(第六号を除く。)の規定による決定をしたときは、その旨を共助対象者に通知しなければならない。

13共助対象者は、不服申立て及び訴えにおいて、当該共助対象者に係る共助対象外国租税の存否又は額が当該共助対象外国租税に関する法令に従つているかどうかを主張することができない。

14第五項に規定する場合における調整法第六条及び第十八条の規定の適用その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

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