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関税定率法 第八条の二 (不当廉売関税の課税の回避のために第三国から輸入される貨物等に対して課する関税)

明治四十三年法律第五十四号法律
(不当廉売関税の課税の回避のために第三国から輸入される貨物等に対して課する関税)

第八条の二

前条第一項の規定により不当廉売関税が課されている場合において、次の各号に掲げる貨物(第一号及び第二号に掲げる貨物にあつては指定貨物の正常価格より低い価格で輸出のために販売されるものに限り、第三号に掲げる貨物にあつては当該貨物を原料又は材料の一部として生産される同項の規定により指定された貨物の国内販売価格が指定貨物の正常価格より低いものに限る。)の輸入が本邦の産業に実質的な損害を与え、若しくは与えるおそれがあり、又は本邦の産業の確立を実質的に妨げる事実(以下この条において「本邦の産業に与える実質的な損害等の事実」という。)があり、かつ、本邦の産業を保護するため必要があると認められるときは、政令で定めるところにより、貨物、当該貨物の供給者又は供給国及び期間(同項の規定により指定された期間内に限る。)を指定し、当該指定された供給者又は供給国に係る当該指定された貨物で当該指定された期間(前条第二十七項の調査が開始された場合にあつては、当該指定された期間の初日から当該調査が終了する日又は当該指定された期間の末日のいずれか遅い日までの期間)内に輸入されるものにつき、別表の税率による関税のほか、同条第一項の規定により課する不当廉売関税に相当する税額の関税を課することができる。

  1. 指定貨物の供給国(前条第一項の規定により供給者のみを指定している場合にあつては、当該供給者の住所又は本店若しくは主たる事務所の所在する国又は地域をいう。以下この条において「指定貨物供給国等」という。)から輸出された貨物又は指定貨物供給国等を原産国とする貨物を原料又は材料の一部として生産された同項の規定により指定された貨物(当該指定された貨物の価額に占める当該原料又は材料の価額の割合が財務省令で定める割合を超えるものに限る。)であつて、本邦及び指定貨物供給国等以外の国又は地域(以下この号及び第十六項第一号において「第三国」という。)において生産されたもの(第三国における前条第一項の規定により指定された貨物の生産において、重要でない工程として財務省令で定めるもの以外の工程を経たものを除く。)
  2. 前条第一項の規定により指定された貨物と性質及び形状が近似する貨物(同項の規定により指定された貨物と用途が直接競合するものに限る。)であつて、指定貨物供給国等において生産されたもの
  3. 前条第一項の規定により指定された貨物の原料又は材料の一部となる貨物(次のいずれにも該当するものに限る。)であつて、指定貨物の供給者が輸出し、又は生産したもの
    1. 当該貨物を原料又は材料として本邦において生産される前条第一項の規定により指定された貨物(本邦における同項の規定により指定された貨物の生産において、重要でない工程として財務省令で定めるもの以外の工程を経るものを除く。)が国内において販売される場合における当該貨物
    2. 当該貨物を原料又は材料として本邦において生産される前条第一項の規定により指定された貨物の価額に占める当該原料又は材料とされる当該貨物の価額の割合が財務省令で定める割合を超える場合における当該貨物

2前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する場合には、適用しない。

  1. 前条第五項の規定による調査を開始した日から当該調査に係る同条第一項の規定による不当廉売関税について同項の規定により指定された期間の末日までの間において、同項の規定により指定された貨物の輸入量の減少又は前項各号に掲げる貨物の輸入量の増加その他の財務省令で定める事情があると認められない場合
  2. 前項各号に掲げる貨物の輸入が、前条第一項の規定による不当廉売関税の課税を免れる目的で行われたものではないと認められる場合

3前条第一項の規定により指定された貨物に係る本邦の産業に利害関係を有する者は、政令で定めるところにより、政府に対し、第一項各号に掲げる貨物の輸入の事実及び当該輸入の本邦の産業に与える実質的な損害等の事実並びに前項第一号に掲げる場合に該当しないことについての十分な証拠を提出し、第一項各号に掲げる貨物に対し同項の規定による関税を課することを求めることができる。

4政府は、前項の規定による求めがあつた場合その他第一項各号に掲げる貨物の輸入の事実及び当該輸入の本邦の産業に与える実質的な損害等の事実並びに第二項第一号に掲げる場合に該当しないことについての十分な証拠がある場合において、必要があると認めるときは、これらの事実の有無及び同項各号に掲げる場合に該当するかしないかにつき調査を行うものとする。

5前項の調査は、当該調査を開始した日から十月以内に終了するものとする。ただし、特別の理由により必要があると認められる場合には、その期間を六月以内に限り延長することができる。

6第四項の調査が開始された場合において、当該調査に係る貨物の供給者は、当該調査が開始された日から終了する日までの間で財務大臣が指定する日までに、政令で定めるところにより、政府に対し、指定貨物供給国等における指定貨物の供給者と取引関係にないことその他の当該調査に係る貨物の供給者に係る第一項各号に掲げる貨物の輸入が前条第一項の規定による不当廉売関税の課税を免れる目的で行われたものではないことに関する事実についての十分な証拠を提出し、当該調査に係る貨物の供給者が輸出し、又は生産する貨物に対し、第一項の規定による関税を課さないことを求めることができる。

7政府は、前項の規定による求めがあつた場合において、当該求めに係る貨物の供給者が指定貨物供給国等における指定貨物の供給者と取引関係にないことその他の当該求めに係る貨物の供給者に係る第一項各号に掲げる貨物の輸入が前条第一項の規定による不当廉売関税の課税を免れる目的で行われたものではないことに関する事実についての十分な証拠があり、かつ、必要があると認めるときは、これらの事実の有無につき調査を行うものとする。

8前項の調査は、第四項の調査が終了する日までに終了するものとする。

9政府は、第六項の規定による求めがあつた場合において、十分な証拠により、当該求めに係る貨物の供給者が指定貨物供給国等における指定貨物の供給者と取引関係にないと認めるときその他の当該求めに係る貨物の供給者に係る第一項各号に掲げる貨物の輸入が前条第一項の規定による不当廉売関税の課税を免れる目的で行われたものでないと認めるときは、当該求めに係る貨物の供給者が輸出し、又は生産する貨物で、第一項の規定により指定する期間に輸入されるものについては、同項の規定にかかわらず、同項の規定による関税を課さないものとする。

10第一項の規定による関税が課されている場合において、同項各号に掲げる貨物の供給者は、政令で定めるところにより、政府に対し、指定貨物供給国等における指定貨物の供給者と取引関係にないことその他の当該同項各号に掲げる貨物の供給者に係る同項各号に掲げる貨物の輸入が前条第一項の規定による不当廉売関税の課税を免れる目的で行われたものではないことに関する事実についての十分な証拠を提出し、当該供給者が輸出し、又は生産する貨物に対し、第一項の規定による関税を課さないことを求めることができる。

11政府は、前項の規定による求めがあつた場合において、当該求めに係る貨物の供給者が指定貨物供給国等における指定貨物の供給者と取引関係にないことその他の当該求めに係る貨物の供給者に係る第一項各号に掲げる貨物の輸入が前条第一項の規定による不当廉売関税の課税を免れる目的で行われたものではないことに関する事実についての十分な証拠があり、かつ、必要があると認めるときは、これらの事実の有無につき調査を行うものとする。

12前項の調査は、当該調査を開始した日から十月以内に終了するものとする。ただし、特別の理由により必要があると認められる場合には、その期間を六月以内に限り延長することができる。

13政府は、第十項の規定による求めがあつた場合において、十分な証拠により、当該求めに係る貨物の供給者が指定貨物供給国等における指定貨物の供給者と取引関係にないと認めるときその他の当該求めに係る貨物の供給者に係る第一項各号に掲げる貨物の輸入が前条第一項の規定による不当廉売関税の課税を免れる目的で行われたものでないと認めるときは、当該求めに係る貨物の供給者が輸出し、又は生産する貨物で、第一項の規定により指定された期間に輸入されるものについては、同項の規定にかかわらず、同項の規定による関税を課さないものとする。

14政府は、第十一項の調査が終了した場合において、第一項の規定により課される関税を前項の規定により課さないこととするときは、第十項の規定による求めに係る貨物の供給者が輸出し、又は生産する貨物で、第一項の規定により指定された期間に輸入されたものについて課された同項の規定による関税を速やかに還付しなければならない。

15関税法第十三条第二項から第七項まで(還付及び充当)の規定は、前項の規定により第一項の規定による関税を還付する場合について準用する。この場合において、同条第二項に規定する還付加算金の計算の基礎となる同項の期間は、第十項の規定による求めがあつた日と当該求めに係る第一項の規定による関税の納付があつた日とのいずれか遅い日の翌日から起算するものとする。

16前条第三十二項から第三十五項までの規定は、第一項の規定により指定された貨物の輸入者が納付した同項の規定による関税の額が次に掲げる額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)を超える事実がある場合において、当該輸入者が当該超える部分の額に相当する同項の規定による関税の還付の請求をするときについて準用する。

  1. 第一項第一号に掲げる貨物にあつては、当該貨物の正常価格から当該貨物が生産された第三国から本邦に輸出される当該貨物の輸出のための販売価格を控除して得られる額
  2. 第一項第二号に掲げる貨物にあつては、当該貨物の正常価格から指定貨物供給国等から本邦に輸出される当該貨物の輸出のための販売価格を控除して得られる額
  3. 第一項第三号に掲げる貨物にあつては、指定貨物の正常価格から同号に掲げる貨物を原料又は材料の一部として生産される前条第一項の規定により指定された貨物の国内販売価格を控除して得られる額

17前各項に定めるもののほか、第一項の規定による関税の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

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