第三十三条
更生手続開始後その終了までの間においては、更生計画の定めるところによらなければ、更生協同組織金融機関の事業の全部又は一部の譲渡をすることができない。ただし、次項から第八項までの規定により更生協同組織金融機関の事業の全部又は一部の譲渡をする場合は、この限りでない。
2更生手続開始後更生計画案を決議に付する旨の決定がされるまでの間においては、管財人は、裁判所の許可を得て、更生協同組織金融機関の事業の全部又は一部の譲渡をすることができる。この場合において、裁判所は、当該譲渡が当該更生協同組織金融機関の事業の更生のために必要であると認める場合に限り、許可をすることができる。
3裁判所は、前項の許可をする場合には、次に掲げる者の意見を聴かなければならない。
- 一
- 二知れている更生担保権者。ただし、第六十七条第二項に規定する更生担保権者委員会があるときは、その意見を聴けば足りる。
- 三労働組合等(更生協同組織金融機関の使用人の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、更生協同組織金融機関の使用人の過半数で組織する労働組合がないときは更生協同組織金融機関の使用人の過半数を代表する者をいう。)
4管財人は、第二項の規定により更生協同組織金融機関の事業の全部又は一部の譲渡をしようとする場合には、あらかじめ、次に掲げる事項を公告し、又は組合員等(労働金庫の個人会員を除く。以下この条において同じ。)に通知しなければならない。
- 一当該譲渡の相手方、時期及び対価並びに当該譲渡の対象となる事業の内容
- 二当該譲渡に反対の意思を有する組合員等は、当該公告又は当該通知があった日から二週間以内にその旨を書面をもって管財人に通知すべき旨
5前項の規定による組合員等に対する通知は、中小企業等協同組合法第五十条第一項、信用金庫法第四十八条第一項若しくは労働金庫法第五十条第一項本文に規定する場所又は組合員等が管財人に通知した住所にあてて、することができる。
6第四項の規定による組合員等に対する通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
7裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、第二項の許可をすることができない。
- 一第四項の規定による公告又は通知があった日から一月を経過した後に第二項の許可の申立てがあったとき。
- 二第四項第二号に規定する期間内に、次のイからハまでに掲げる更生協同組織金融機関の種類に応じ、当該イからハまでに定める者が、書面をもって管財人に第二項の譲渡に反対の意思を有する旨の通知をしたとき。
- イ信用協同組合事業の全部を譲渡しようとする場合にあっては総組合員の三分の一を超える数の組合員、その他の場合にあっては総組合員の二分の一以上に当たる数の組合員
- ロ信用金庫事業の全部を譲渡しようとする場合にあっては総会員の三分の一を超える数の会員、その他の場合にあっては総会員の二分の一以上に当たる数の会員
- ハ労働金庫事業の全部を譲渡しようとする場合にあっては総会員(個人会員を除く。以下この号において同じ。)の三分の一を超える数の会員(個人会員を除く。以下この号において同じ。)、その他の場合にあっては総会員の二分の一以上に当たる数の会員
- イ
8第四項から前項までの規定は、第二項の許可の時において更生協同組織金融機関がその財産をもって債務を完済することができない状態にある場合には、適用しない。
9第二項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
10第二項の許可を得て更生協同組織金融機関の事業の全部又は一部の譲渡をする場合には、中小企業等協同組合法第五十七条の三第一項、信用金庫法第五十八条第一項又は労働金庫法第六十二条第一項の規定並びに協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条第一項、信用金庫法第八十九条第一項又は労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第三十四条及び第三十五条の規定は、適用しない。
11前項に規定する場合には、中小企業等協同組合法第五十七条の三第六項において準用する同法第五十七条、信用金庫法第五十八条第七項において準用する同法第五十二条の二又は労働金庫法第六十二条第七項において準用する同法第五十七条の二において準用する会社法第八百二十八条第一項(第五号に係る部分に限る。)及び第二項(第五号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、更生協同組織金融機関の組合員等、理事、監事、清算人、破産管財人又は債権者は、事業の全部の譲渡の無効の訴えを提起することができない。