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発電用原子力設備に関する技術基準を定める命令 第九条 (材料及び構造)

昭和四十年通商産業省令第六十二号府省令
(材料及び構造)

第九条

原子炉施設(圧縮機及び補助ボイラーを除く。)に属する容器、管、ポンプ若しくは弁(以下「機器」という。)若しくはこれらの支持構造物又は炉心支持構造物の材料及び構造は、次の各号によらなければならない。この場合において、第一号から第七号まで及び第十五号の規定については、使用前に適用されるものとする。

  1. クラス1機器及びクラス1支持構造物に使用する材料は、次によること。
    1. クラス1機器又はクラス1支持構造物が、その使用される圧力、温度、水質、放射線、荷重等の条件に対して適切な機械的強度及び化学的成分(使用中の応力等に対する適切な耐食性を含む。)を有すること。
    2. クラス1容器に使用する材料にあつては、当該容器が使用される圧力、温度、放射線、荷重等の条件に対して適切な破壊じん性を有することを機械試験等により確認したものであること。
    3. クラス1機器(クラス1容器を除く。)又はクラス1支持構造物(クラス1管及びクラス1弁を支持するものを除く。)に使用する材料にあつては、当該機器又は当該支持構造物の最低使用温度に対して適切な破壊じん性を有することを機械試験等により確認したものであること。
    4. クラス1機器又はクラス1支持構造物(棒及びボルトに限る。)に使用する材料にあつては、有害な欠陥がないことを非破壊試験により確認したものであること。
  2. クラス2機器及びクラス2支持構造物に使用する材料は、次によること。
    1. クラス2機器又はクラス2支持構造物が、その使用される圧力、温度、荷重等の条件に対して適切な機械的強度及び化学的成分を有すること。
    2. クラス2機器に使用する材料にあつては、当該機器の最低使用温度に対して適切な破壊じん性を有することを機械試験等により確認したものであること。
    3. クラス2機器に属する鋳造品にあつては、有害な欠陥がないことを非破壊試験により確認したものであること。
  3. クラス3機器に使用する材料は、次によること。
    1. クラス3機器が、その使用される圧力、温度、荷重等の条件に対して適切な機械的強度及び化学的成分を有すること。
    2. 工学的安全施設に属するクラス3機器に使用する材料にあつては、当該機器の最低使用温度に対して適切な破壊じん性を有することを機械試験等により確認したものであること。
  4. クラス4管に使用する材料は、当該管が使用される圧力、温度、荷重等の条件に対して適切な機械的強度及び化学的成分を有すること。
  5. 原子炉格納容器(コンクリート製原子炉格納容器を除く。以下この号において同じ。)及び原子炉格納容器支持構造物に使用する材料は、次によること。
    1. 原子炉格納容器又は原子炉格納容器支持構造物が、その使用される圧力、温度、湿度、荷重等の条件に対して適切な機械的強度及び化学的成分を有すること。
    2. 原子炉格納容器又は原子炉格納容器支持構造物の最低使用温度に対して適切な破壊じん性を有することを機械試験等により確認したものであること。
  6. コンクリート製原子炉格納容器のコンクリート部及び鋼製内張り部等に使用する材料は、次によること。
    1. コンクリートにあつては、当該原子炉格納容器が使用される圧力、温度、荷重等の条件に対して適切な圧縮強度を有すること。
    2. コンクリートにあつては、有害な膨張及び鉄筋腐食を起こさないよう、長期の耐久性を有すること。
    3. コンクリート部に強度部材として使用する鉄筋並びに緊張材及び定着具(以下「鉄筋等」という。)にあつては、当該原子炉格納容器が使用される圧力、温度、荷重等の条件に対して適切な機械的強度、化学的成分及び形状寸法を有すること。
    4. 鋼製内張り部等に使用する材料にあつては、前号イ及びロの規定に準ずること。
  7. 炉心支持構造物に使用する材料は、第一号イ、ハ及びニの規定に準ずること。
  8. クラス1機器及びクラス1支持構造物の構造及び強度は、次によること。
    1. クラス1機器にあつては、最高使用温度、最高使用圧力及び機械的荷重が負荷されている状態(以下「設計上定める条件」という。)において、全体的な変形を弾性域に抑えること。
    2. クラス1支持構造物にあつては、運転状態I及び運転状態IIにおいて、全体的な変形を弾性域に抑えること。
    3. クラス1容器(オメガシール等を除く。)、クラス1管、クラス1弁及びクラス1支持構造物にあつては、運転状態IIIにおいて、全体的な塑性変形が生じないこと。ただし、構造上の不連続部における局部的な塑性変形はこの限りではない。
    4. クラス1容器(オメガシール等を除く。)、クラス1管及びクラス1支持構造物にあつては、運転状態IVにおいて、延性破断に至る塑性変形が生じないこと。
    5. クラス1容器(ボルト、オメガシール等を除く。)にあつては、試験状態において、全体的な塑性変形が生じないこと。ただし、構造上の不連続部における局部的な塑性変形はこの限りでない。
    6. クラス1容器(ボルト等を除く。)、クラス1管、クラス1弁(弁箱に限る。)及びクラス1支持構造物にあつては、運転状態I及び運転状態IIにおいて、進行性変形が生じないこと。
    7. クラス1容器、クラス1管、クラス1弁(弁箱に限る。)及びクラス1支持構造物にあつては、運転状態I及び運転状態IIにおいて、疲労破壊が生じないこと。
    8. クラス1容器(胴、鏡板等に限る。)にあつては、運転状態I、運転状態II、運転状態III及び運転状態IV並びに試験状態において、座屈が生じないこと。
    9. クラス1管にあつては、設計上定める条件において、座屈が生じないこと。
    10. クラス1支持構造物にあつては、運転状態I、運転状態II、運転状態III及び運転状態IVにおいて、座屈が生じないこと。
    11. ロ、ハ、ニ、ヘ、ト及びヌにかかわらず、クラス1支持構造物であつて、クラス1容器に溶接により取り付けられ、その損壊により、クラス1容器の損壊を生じさせるおそれのあるものにあつては、クラス1容器の規定に準ずること。
  9. クラス2機器及びクラス2支持構造物の構造及び強度は、次によること。
    1. クラス2機器にあつては、設計上定める条件において、全体的な変形を弾性域に抑えること。
    2. クラス2機器に属する伸縮継手にあつては、設計上定める条件で応力が繰り返し加わる場合において、疲労破壊が生じないこと。
    3. クラス2管(伸縮継手を除く。)にあつては、運転状態I及び運転状態IIにおいて、疲労破壊が生じないこと。
    4. クラス2容器及びクラス2管にあつては、設計上定める条件において、座屈が生じないこと。
    5. クラス2支持構造物であつて、クラス2機器に溶接により取り付けられ、その損壊によりクラス2機器に損壊を生じさせるおそれのあるものにあつては、運転状態I及び運転状態IIにおいて、延性破断及び座屈が生じないこと。
  10. クラス3機器の構造及び強度は、次によること。
    1. 設計上定める条件において、全体的な変形を弾性域に抑えること。
    2. クラス3機器に属する伸縮継手にあつては、設計上定める条件で応力が繰り返し加わる場合において、疲労破壊が生じないこと。
    3. 設計上定める条件において、座屈が生じないこと。
  11. 十一
    クラス4管の構造及び強度は、設計上定める条件において、延性破断に至る塑性変形を生じないこと。
  12. 十二
    原子炉格納容器(コンクリート製原子炉格納容器を除く。)及び原子炉格納容器支持構造物の構造及び強度は、次によること。
    1. 原子炉格納容器(ロに掲げる部分を除く。)にあつては、設計上定める条件において、全体的な変形を弾性域に抑えること。
    2. 原子炉格納容器のうち著しい応力が生じる部分及び特殊な形状の部分にあつては、第八号イ、ハ、ニ及びホのクラス1容器の規定を準用する。
    3. 原子炉格納容器支持構造物にあつては、第八号ロ、ハ及びニのクラス1支持構造物の規定を準用する。
    4. 原子炉格納容器のうち著しい応力が生じる部分及び特殊な形状の部分並びに原子炉格納容器支持構造物にあつては、運転状態I及び運転状態IIにおいて、進行性変形による破壊が生じないこと。
    5. 原子炉格納容器の伸縮継手にあつては、設計上定める条件で応力が繰り返し加わる場合において、疲労破壊が生じないこと。
    6. 原子炉格納容器のうち著しい応力が生じる部分及び特殊な形状の部分並びに原子炉格納容器支持構造物にあつては、運転状態I及び運転状態IIにおいて、疲労破壊が生じないこと。
    7. 原子炉格納容器にあつては、設計上定める条件並びに運転状態III及び運転状態IVにおいて、座屈が生じないこと。
    8. 原子炉格納容器支持構造物にあつては、運転状態I、運転状態II、運転状態III及び運転状態IVにおいて、座屈が生じないこと。
  13. 十三
    コンクリート製原子炉格納容器の構造及び強度は、次によること。
    1. コンクリートにあつては、荷重状態I、荷重状態II及び荷重状態IIIにおいて圧縮破壊が生じず、かつ、荷重状態IVにおいてコンクリート製原子炉格納容器が大きな塑性変形に至る圧縮破壊が生じないこと。
    2. 鉄筋等にあつては、荷重状態I、荷重状態II及び荷重状態IIIにおいて降伏せず、かつ、荷重状態IVにおいて破断に至るひずみが生じないこと。
    3. コンクリート部にあつては、荷重状態I、荷重状態II及び荷重状態IIIにおいてせん断破壊が生じず、かつ、荷重状態IVにおいてコンクリート製原子炉格納容器が大きな塑性変形に至るせん断破壊が生じないこと。
    4. ライナプレート(貫通部スリーブが取り付く部分を除く。)にあつては、荷重状態I及び荷重状態IIにおいて著しい残留ひずみが生じず、かつ、荷重状態III及び荷重状態IVにおいて破断に至らないこと。
    5. ライナプレート(貫通部スリーブが取り付く部分を除く。)にあつては、ニの規定によるほか、第十二号ヘの原子炉格納容器の規定を準用する。
    6. ライナプレート(貫通部スリーブが取り付く部分に限る。)、貫通部スリーブ及び定着金具(ライナプレートに取り付ける定着金具であつて、全ての荷重状態において全体的な変形を弾性域に抑えることができるものを除く。)にあつては、第十二号ハ、ニ、ヘ及びチの原子炉格納容器支持構造物の規定を準用する。この場合において、第十二号中「運転状態I及び運転状態II」とあるのは「荷重状態I及び荷重状態II」と、「運転状態I、運転状態II、運転状態III及び運転状態IV」とあるのは「荷重状態I、荷重状態II、荷重状態III及び荷重状態IV」と読み替えるものとする。
    7. ナックルにあつては、第十二号ロ、ニ及びヘの原子炉格納容器のうち著しい応力が生じる部分及び特殊な形状の部分の規定を準用する。
  14. 十四
    炉心支持構造物の構造及び強度は、次によること。
    1. 設計上定める条件において、全体的な変形を弾性域に抑えること。
    2. 運転状態IIIにおいて、全体的な塑性変形が生じないこと。ただし、構造上の不連続部における局部的な塑性変形はこの限りではない。
    3. 運転状態IVにおいて、延性破断に至る塑性変形が生じないこと。
    4. 炉心支持構造物にあつては、運転状態I及び運転状態IIにおいて、進行性変形による破壊が生じないこと。
    5. 運転状態I及び運転状態IIにおいて、疲労破壊が生じないこと。
    6. 運転状態I、運転状態II、運転状態III及び運転状態IVにおいて、座屈が生じないこと。
  15. 十五
    クラス1容器、クラス1管、クラス2容器、クラス2管、クラス3容器、クラス3管、クラス4管及び原子炉格納容器のうち主要な耐圧部の溶接部(溶接金属部及び熱影響部をいう。)は、次によること。
    1. 不連続で特異な形状でないものであること。
    2. 溶接による割れが生ずるおそれがなく、かつ、健全な溶接部の確保に有害な溶込み不良その他の欠陥がないことを非破壊試験により確認したものであること。
    3. 適切な強度を有するものであること。
    4. 機械試験等により適切な溶接施工法等であることをあらかじめ確認したものにより溶接したものであること。

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