第三十条
昭和二十年九月二日から引き続き公務員(公務員に準ずる者を含む。)として海外にあつてまだ帰国していない者(以下「未帰還公務員」という。)に対しては、その者が左の各号の一に該当する場合においては、それぞれ当該各号に掲げる日に退職したものとみなして恩給を給する。
- 一未帰還公務員が昭和二十八年七月三十一日において普通恩給についての最短恩給年限に達している場合にあつては、同日
- 二未帰還公務員が昭和二十八年七月三十一日において普通恩給についての最短恩給年限に達していない場合にあつては、当該最短恩給年限に達する日
- 三未帰還公務員が普通恩給についての最短恩給年限に達しないで帰国した場合にあつては、その帰国した日
2前項第一号又は第二号に該当する未帰還公務員に給する普通恩給の給与は、当該未帰還公務員が帰国した日の属する月から始めるものとする。但し、未帰還公務員の祖父母、父母、妻又は未成年の子で内地に居住しているものがある場合において、これらの者から請求があつたときは、同項第一号に該当する者に給する普通恩給の給与は昭和二十八年八月から、同項第二号に該当する者に給する普通恩給の給与は同号に規定する日の属する月の翌月から始めるものとする。
3前項但書の規定による普通恩給の給与は、未帰還公務員が帰国した日(海外にある間に死亡した場合にあつては、死亡の判明した日)の属する月まで、妻、未成年の子、父母(養父母を先にして実父母を後にする。)、祖父母(養父母の父母を先にして実父母の父母を後にし、父母の養父母を先にして実父母を後にする。)の順位により、請求者に対し行うものとする。
4未帰還公務員が帰国するまでの間に自己の責に帰することができない事由により負傷し、又は疾病にかかつた場合において、裁定庁がこれを在職中に公務のため負傷し、又は疾病にかかつた場合と同視することを相当と認めたときは、その者を在職中に公務のため負傷し、又は疾病にかかつたものとみなし、その者又はその遺族に対し相当の恩給を給するものとする。但し、未帰還公務員に給する恩給で当該未帰還公務員が帰国するまでの間に給与事由の生じたものは当該未帰還公務員が帰国した日の属する月の翌月から(一時金たる恩給にあつては、当該未帰還公務員が帰国した時において)、遺族に給する恩給は未帰還公務員の死亡した日の属する月の翌月(旧軍人、旧準軍人又は旧軍属であつた未帰還公務員の遺族については、当該未帰還公務員の死亡した日が昭和二十八年四月前であるときは同月、その他の未帰還公務員の遺族については、当該未帰還公務員の死亡した日が同年八月前であるときは同月)から給するものとする。
5第一項の規定は、未帰還公務員が帰国後においても引き続いて公務員として在職する場合又は帰国後引き続いて公務員若しくは公務員とみなされる職員となつた場合においては、同項第一号及び第二号に掲げる者については適用がなかつたものとみなし、同項第三号に掲げる者については適用しないものとする。但し、第二項及び第三項の規定により給された普通恩給は、返還することを要しないものとする。
6第四項の規定により未帰還公務員の遺族に扶助料を給する場合において、当該未帰還公務員に関し、当該扶助料の支給が始められる月から当該未帰還公務員の死亡が判明した日の属する月までの分として、未帰還者留守家族等援護法(昭和二十八年法律第百六十一号)による留守家族手当若しくは特別手当又は第二項及び第三項の規定による普通恩給が支給されたときは、その支給されたものの額を合算した額は、当該期間の分として支給する扶助料の額から、その額を限度として控除するものとする。
7第一項(同項第三号を除く。)の規定は、未帰還公務員が同項第一号又は第二号に掲げる区分に従い退職したものとみなされた日後において帰国したとき、又は死亡したときは、第五項に規定する場合を除き、当該未帰還公務員については、適用がなかつたものとみなす。この場合においては、昭和四十四年九月以前の期間の分として支給された普通恩給は、返還することを要しないものとする。
8前項の未帰還公務員に係る普通恩給の年額は、第二項ただし書の規定に基づき昭和四十四年十月分以後の期間の分として支給された普通恩給があるときは、その支給された普通恩給の額の十五分の一に相当する額をその年額から控除した額とする。