(と畜業者等の講ずべき衛生措置)
第七条
法第九条第一項第一号に掲げる事項に関する同項の厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。
- 一処理室においては、獣畜の血液及び消化管の内容物等を適切に処理し、当該処理室を洗浄すること。この場合において、洗浄水の飛散によるとたい並びに枝肉及び食用に供する内臓の汚染を防ぐこと。
- 二獣畜のとさつ又は解体に当たり手袋を使用する場合は、獣畜に直接接触する部分が耐水性のある素材のものを使用すること。
- 三牛、めん羊及び山羊について、ピッシング(ワイヤーその他これに類する器具を用いて脳及び脊髄を破壊することをいう。)を行わずにとさつすること。
- 四放血等は、次に掲げるところにより行うこと。
- イ放血された血液による生体及び他のとたいの汚染を防ぐこと。
- ロ牛、めん羊及び山羊にあつては、放血後において消化管の内容物が漏出しないよう食道を第一胃の近くで結さつし、又は閉塞させること。
- ハ手指(手袋を使用する場合にあつては、当該手袋。以下この項において同じ。)が放血された血液等により汚染された場合は、その都度洗浄剤を用いて洗浄すること。
- ニとたいに直接接触するナイフ、結さつ器その他の機械器具については、一頭を処理するごとに(外皮に接触すること等により汚染された場合は、その都度。次号及び第六号において同じ。)摂氏八十三度以上の温湯を用いて洗浄消毒すること。
- イ
- 五頭部(舌、頬肉及び皮を除く。以下この条において同じ。)の処理を行う場合においては、次に掲げるところにより行うこと。
- イ角は、切断部の付近に外皮が残ることによる汚染を防ぐため、外皮と共に除去すること。
- ロ剝皮された頭部は、外皮並びに床及び内壁等に接触することによる汚染を防ぐこと。
- ハ剝皮された頭部の洗浄に当たつては、洗浄水の飛散による他のとたいの汚染を防ぐこと。
- ニ手指が外皮等により汚染された場合は、その都度洗浄剤を用いて洗浄すること。
- ホとたいに直接接触するナイフ、のこぎりその他の機械器具については、一頭を処理するごとに摂氏八十三度以上の温湯を用いて洗浄消毒すること。
- ヘ月齢が三十月以下の牛の頭部を食用に供するものとして処理を行う場合には、その他の牛の頭部による汚染を防ぐよう区分して処理すること。
- イ
- 六とたいの剝皮は、次に掲げるところにより行うこと。
- イ獣毛等による汚染を防ぐため、必要な最小限度の切開をした後、ナイフを消毒し、ナイフの刃を手前に向け、皮を内側から外側に切開すること。
- ロ剝皮された部分は、外皮による汚染を防ぐこと。
- ハ剝皮された部分が外皮により汚染された場合においては、汚染された部位を完全に切り取ること。
- ニ牛、めん羊及び山羊の肛門周囲の処理に当たつては、消化管の内容物が漏出しないよう直腸を肛門の近くで結さつするとともに、肛門部によるとたいの汚染を防ぐこと。
- ホ剝皮された部分が消化管の内容物により汚染された場合においては、迅速に他の部位への汚染を防ぐとともに、汚染された部位を完全に切り取ること。
- ヘ手指が外皮等により汚染された場合は、その都度洗浄剤を用いて洗浄すること。
- トとたいに直接接触するナイフ、動力付剝皮ナイフ、結さつ器その他の機械器具については、一頭を処理するごとに摂氏八十三度以上の温湯を用いて洗浄消毒すること。
- イ
- 七乳房を切除する場合においては、次に掲げるところにより行うこと。
- イ乳房の内容物が漏出しないように行うこと。
- ロ剝皮された部分が乳房の内容物により汚染された場合においては、迅速に他の部位への汚染を防ぐとともに、汚染された部位を完全に切り取ること。
- ハ手指が乳房の内容物等により汚染された場合は、その都度洗浄剤を用いて洗浄すること。
- ニとたいに直接接触するナイフその他の機械器具については、一頭を処理するごとに(乳房の内容物等に汚染された場合は、その都度)摂氏八十三度以上の温湯を用いて洗浄消毒すること。
- イ
- 八内臓の摘出は、次に掲げるところにより行うこと。
- イとたいが消化管の内容物により汚染されないよう適切に行うこと。
- ロ内臓が床及び内壁並びに長靴等に接触することによる汚染を防ぐこと。
- ハ剝皮された部分が消化管の内容物により汚染された場合においては、迅速に他の部位への汚染を防ぐとともに、汚染された部位を完全に切り取ること。
- ニ手指が消化管の内容物等により汚染された場合は、その都度洗浄剤を用いて洗浄すること。
- ホとたいに直接接触するナイフ、のこぎりその他の機械器具については、一頭を処理するごとに(消化管の内容物等に汚染された場合は、その都度)摂氏八十三度以上の温湯を用いて洗浄消毒すること。
- イ
- 九背割りは、次に掲げるところにより行うこと。
- イ枝肉が床若しくは内壁、長靴又は昇降台等に接触することによる汚染を防ぐこと。
- ロ使用するのこぎりについては、一頭を処理するごとに摂氏八十三度以上の温湯を用いて洗浄消毒すること。
- イ
- 十枝肉の洗浄は、次に掲げるところにより行うこと。
- イ洗浄の前に獣毛又は消化管の内容物等による汚染の有無を確認し、これらによる汚染があつた場合は、汚染された部位を完全に切り取ること。
- ロ十分な水量を用いて行うこと。
- ハ洗浄水の飛散による枝肉の汚染を防ぐこと。
- ニ洗浄水の水切りを十分に行うこと。
- イ
- 十一枝肉及び食用に供する内臓は、床及び内壁等に接触しないよう取り扱うこと。
- 十二内臓の処理は、次に掲げるところにより行うこと。
- イ消化管は、消化管の内容物によるその他の臓器の汚染を防ぐよう区分して処理すること。
- ロ食用に供する内臓が床及び内壁等に接触することによる汚染を防ぐこと。
- ハ消化管の処理に当たつては、消化管の内容物による汚染を防ぐよう消化管の内容物を除去するとともに、当該消化管を十分に洗浄すること。
- ニ内臓処理台等が消化管の内容物により汚染された場合は、その都度洗浄消毒すること。
- イ
- 十三枝肉又は食用に供する内臓は、摂氏十度以下となるよう冷却すること。
- 十四法第十四条第三項の検査で保留された枝肉は、他の枝肉と区別して保管すること。
- 十五月齢が三十月以下の牛の頭部等を食用に供する場合には、当該牛の頭部等については、とさつ、解体及び保管の各段階で、その他の牛の頭部等と工程、表示等により区分して保管すること。
- 十六外皮は、枝肉又は食用に供する内臓に接触しないよう保管すること。
- 十七別表第一に掲げる部分は、当該部分による枝肉及び食用に供する内臓の汚染を防ぐよう処理すること。
- 十八食品衛生上の危害の発生の防止のため、獣畜のとさつ又は解体の工程に関する計画及びとさつ又は解体の衛生的な管理その他公衆衛生上必要な措置を適切に行うための手順書に基づいた衛生管理が行われるために、獣畜をとさつし、又は解体する者に対して衛生管理に必要な教育を実施すること。
- 十九化学物質を取り扱う者に対して、使用する化学物質を安全に取扱うことができるよう教育訓練を実施すること。
- 二十前二号の教育訓練の効果について定期的に検証を行い、必要に応じて教育内容の見直しを行うこと。
- 二十一食品衛生上の危害の発生の防止に必要な限度において、取り扱う獣畜の産地、健康状態、枝肉又は食用に供する内臓の出荷又は販売先その他の必要な事項に関する記録を作成し、保存するよう努めること。
- 二十二枝肉又は食用に供する内臓について自主検査を行つた場合には、その記録を保存するよう努めること。
2法第九条第一項第二号に掲げる事項に関する同項の厚生労働省令で定める基準は、次の各号に掲げるものとする。
- 一獣畜のとさつ又は解体の工程ごとに、危害要因の一覧表を作成し、管理措置を定めること。
- 二前号で特定された危害要因につき、その発生を防止し、排除し、又は許容できる水準にまで低減するために重要管理点を決定すること。
- 三個々の重要管理点における危害要因につき、管理基準を設定すること。
- 四重要管理点の管理について、モニタリングをするための方法を設定すること。
- 五個々の重要管理点において、モニタリングの結果、管理基準を逸脱したことが判明した場合の改善措置を設定すること。
- 六前各号に規定する措置の内容の効果を、定期的に検証するための手順を定めること。
- 七事業の規模や業態に応じて、前各号に規定する措置の内容に関する書面とその実施の記録を作成すること。
3と畜業者等は、作業衛生責任者に第一項第十八号の計画及び手順書に基づき獣畜のとさつ又は解体の衛生的な管理が適切に実施されていることを確認させ、その結果を報告させなければならない。ただし、法第十条第一項の規定によりと畜業者等が自ら作業衛生責任者となつていると畜場にあつては、自ら確認の業務を行うものとする。
4と畜業者等は、法第九条第二項の規定に基づき、次に定めるところにより公衆衛生上必要な措置を定め、これを遵守しなければならない。
- 一第一項第十八号の計画を作成し、獣畜をとさつし、又は解体する者その他の関係者に周知徹底を図ること。
- 二施設設備、機械器具の構造及び材質並びに獣畜の肉、骨、臓器、血液等を取り扱う工程を考慮し、これらの工程において第一項第十八号の手順書を作成すること。
- 三衛生管理の実施状況を記録し、その記録を保存すること。なお、記録の保存期間は、取り扱う獣畜の肉、骨、臓器、血液等が使用され、又は消費されるまでの期間を踏まえ、合理的に設定すること。
- 四第一項第十八号の計画及び手順書の効果を検証し、必要に応じてその内容を見直すこと。
5と畜業者等は、前項に規定する措置に関し、次に定める事項についてと畜検査員による検査又は試験を受け、その結果に基づき必要に応じて見直しを行うこと。
- 一第一項第十八号の計画又は手順書を作成又は修正した場合にあつては、それらが食品衛生上の危害の発生を防止する目的において、科学的に妥当なものであること。
- 二衛生管理が第一項第十八号の計画及び手順書に基づき適切に行われていること。